初めての歩き遍路1~10番札所、区切り打ちプラン【親子で歩き遍路|1回目体験記】

はじめに
歩き遍路をしてみたいけど、大変そうだな…。
八十八か所を全て巡ると思うとハードルがありますが、せっかく興味を持ったのなら、まずはお試しで歩き遍路をしてみませんか?
1番~10番札所までは、お寺までの距離が短いため、1日にいくつか回ることができ、気軽にチャレンジできます。

私も初めてのお遍路は、まだ子供が小さかったため長い距離を歩けるのか分からなかったし、子供の歩き遍路なんて情報がまるでなかったので、「やってみなきゃ分かんない」と思い立ち、地図を頼りに歩き始めたのが始まりです。
子供たちの年齢は、5歳、8歳、9歳。
こんな小さな子らが「1日に何㎞歩くことができるんだろう?」
疑問はありましたが、疲れたら休めばいいし、どうしても進めなくなったなら、そこで終わり。

持ち物も、巡礼グッズと子供のバックパックを購入した以外は、家にあるものを詰め込んで行きました。

目標は11番さん。
ルールは次のお寺まで「歩く」こと。
そして、妹のペースで歩くこと。

たったのそれだけでしたが、ちょっとの距離がなかなか進まない、
楽しいこと、辛いこと、いろいろありながらの、10番寺までの達成でした。

子連れで行くなら、親の忍耐が試されるでしょう。
スムーズに行かないことが多くなりますが、「それも修行の内」と考えて、私は子供と一緒に行くことを選びました。
でもそれ以上に面白い発見、気付きが何度もやって来て、心豊かな経験をさせてくれました。

行ってみて、こうすればもっとスムーズだったな…と思うことがありましたので、
計画の段階で考えたいこと、一般の大人向け歩き遍路プラン、子連れの歩き遍路プランを紹介してみました。

旅日記(私の実例)の反省点と比較して、より快適な旅にするための参考にしてみてください

目次

ペース配分について

まずは自分の歩ける距離を調べておこう

一般的に女性では、1日に歩く距離が20㎞くらいまでが大変過ぎないペースかと思います。
もちろん体力のある人や歩き慣れている人は、もっと進めるでしょうし、反対に疲れやすい人や、20㎞を荷物を持って歩けるか心配な人は、試しに15㎞くらいから歩き始め、徐々に距離をのばしていくように考えてもいいでしょう。

自分の歩くペースを計算するには、5㎞歩いた時間を計って1㎞あたりの時間を算出します。
最初から1㎞だけしか歩かないと、長距離の持久力が分からないからです。
私の場合、手ぶらでウォーキングする時は5㎞が約50分、1㎞だと10分かかる計算になるけれど、実際8㎞の荷物を背負ってお遍路している時は、調子よく歩いても60~70分はかかります。
これは、荷物が重いだけでなく、道を確認する度に止まったりペースダウンしたりするからなんですね。急な登り坂が続くような道ならばもっと遅くなります。

お寺での滞在時間

御朱印がいただけるのは8時~17時まで。
冬場や場所によっては16時半で閉まってしまうお寺もある為、営業時間に間に合う時間に到着できるように計画します。

また納経したり、拝観するのにかかる時間は、身体の休憩を兼ねて20分くらいはとった方が、気持ちにゆとりが生まれます。1番寺のガイドには、きちんとやるには30分必要と書かれています。
春秋など人気のある季節は団体さんも多いため、御朱印をもらうのに時間がかかる場合も。

そこにしかないお寺の雰囲気を味わい、スピリチャルな文化を体験できる、心洗われる一時があります。
あまりタイトに計算すると、次の工程ばかりが頭をよぎり、せわしなくなるので気を付けたいところです。

歩くことにチャレンジするのが目的、宗教的な風習にあまり興味を持てない、子供など、御朱印をスタンプラリー的に集められたらOKと考えている人は、お寺の滞在は短いかも知れませんね。

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観光や飲食店を利用する場合は、その分の時間を確保しておく

歩いていると、観光スポット、グルメ、温泉など、誘惑がいっぱい。
修行だけでなく観光も含めて「一期一会を楽しみたい」と考えるなら、+1時間くらいはゆっくりする時間を確保して置いた方がいいでしょう。
意外に時間が掛かるのが飲食店。
注文した料理が出てくるのに30分以上待たなければ食べられないことや、飲食店が少ない地域では混雑で遅くなる場合もあるんです。

ですから、ランチや寄り道したい場所があるならば、下調べをしておくと、「御朱印時間に間に合わなかった」「今夜の宿にまだつけない…」といった最悪の事態を回避できると思います。

ルールは全て自分で好きなように決められるのが、歩き遍路の醍醐味。
自分の拘りをお遍路旅に入れるのも楽しみの一つなのではないでしょうか。

1~10番札所までの歩き遍路のプラン

初日は現地までの移動があるため、その時間も行程に含まなければなりません。
自宅を早朝に出て、9時頃までに現地に入れるならば以下の工程で間に合いますが、四国までの交通機関がない場合は、前泊したり午後からのスタートに時間を変えて到着時間を予想してください。

はじめての歩き遍路、一般のプラン(2泊):1日15~20㎞前後のペース

1日目
🔷自宅より交通機関で1番寺まで移動し、歩き遍路スタート。

1番札所 霊山寺(1.4㎞)➡2番札所 極楽寺(2.6㎞)➡3番札所 金泉寺(5㎞)➡お昼休憩
➡4番札所 大日寺(2㎞)➡5番札所 地蔵寺5.3㎞)➡6番札所 安楽寺を参拝後、安楽寺宿坊で宿泊。<合計歩行距離 16.3㎞>

※1番寺を何時に出発できるかによって、後の工程が変わる。
10時までに1番札所の参拝を終えて出発できれば、3番寺を過ぎた頃で昼食をとり、夕方の16時頃には宿坊に到着することができる。

宿坊400年の歴史!四国霊場第六番札所「安楽寺」にある宿坊

2日目
🔷6番安楽寺より再開

6番札所 安楽寺(1.2㎞)➡7番札所 十楽寺(4.2㎞)➡8番札所 熊谷寺(2.4㎞)➡9番札所 法輪寺 参拝後、お昼休憩(3.8㎞)➡10番札所 切幡寺 ➡11番札所へ向かう途中、JR阿波川島駅で歩き区切り(6.9㎞)➡徳島駅へ(岐路へ)
<合計歩行距離 18.5㎞>

※歩き終わりを「阿波川島駅」にしたのは、11番寺へ向かうルートから一番近い駅にあるため。
電車利用しない場合は、歩き終わった地点までの距離で計算する。

子連れ歩き遍路のプラン

1日目
🔷自宅より交通機関で1番寺まで移動し、歩き遍路スタート。

1番札所 霊山寺(1.4㎞)➡2番札所 極楽寺(2.6㎞)➡3番札所 金泉寺(5㎞)➡4番札所 大日寺参拝後、近くへ宿泊。<合計歩行距離 9㎞>
※お昼休憩は出発の時間に合わせて入れてください。

2日目
🔷4番大日寺より再開(2㎞)➡5番札所 地蔵寺(5.3㎞)➡途中でお昼休憩 ➡6番札所 安楽寺を参拝後、安楽寺宿坊で宿泊。<合計歩行距離7.3㎞>

3日目
🔷安楽寺(1.2㎞)➡7番札所 十楽寺(4.2㎞)➡8番札所 熊谷寺(2.4㎞)➡9番札所 法輪寺 参拝前後にお昼休憩(3.8㎞)➡10番札所 切幡寺参拝まで。<合計歩行距離11.6㎞>

※10番寺から最寄りの駅「JR阿波川島駅」までは約6.9㎞あるため、歩けなければタクシー(15分)利用。
タクシーで駅まで行く場合は「JR鴨島駅」の方が徳島よりになります。

親子で歩き遍路(1~10番札所)

ターラの歩き遍路工程:子供が幼稚園年長・小2・小3の場合

1日目
🔷自宅から自家用車➡1番札所 霊山寺へ、9時より歩き遍路スタート。

霊山寺(1.4㎞)➡2番札所 極楽寺(2.6㎞)➡3番札所 金泉寺(5㎞)➡4番札所 大日寺(2㎞)➡5番札所 地蔵寺➡3番寺近くの民宿へ宿泊(送迎してもらう)<合計歩行距離11.3㎞>

2日目
🔷地蔵寺(5.3㎞)➡6番札所 安楽寺(1.2㎞)➡7番札所 十楽寺(1.2㎞)➡安楽寺宿坊に戻り宿泊。<合計歩行距離7.7㎞>

3日目
🔷安楽寺(1.2㎞)➡十楽寺を通過(4.2㎞)➡8番札所 熊谷寺(2.4㎞)➡9番札所 法輪寺(3.8㎞)➡10番札所 切幡寺➡11番寺へ向かう途中で終了。<合計歩行距離 約15㎞>
タクシーで自家用車を停めている1番寺まで移動し、自家用車で帰宅。

旅日記、1日目

初めてのお遍路は、2019年のGW。
私のホームタウンは兵庫県三田市で、1番札所までは車で約1時間半ほどかかり、午前9時前に到着しました。

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あいにくの雨…
さあ、ここから助け合って行こう!

まずは1番札所 霊山寺から。
手前に売店があり、巡礼に必要な物は全て揃えることができる。
また作法とお経について、冊子が配られていて詳しく説明してくれます。


1番寺から少し歩いたところにある
2番札所 極楽寺

お参りの手順を確認しながら、納経していきます。
子供たちの経本は私のをコピーして表紙を貼り付けました。
まだ意味は分からなくとも、いいエネルギーやご縁と繋がりますように☆

雨のせいで、最初のうちは、歩いている横を水しぶきをあげて通り過ぎる車や、
びしょびしょになった靴の中を気にしていた子供らも
次第に濡れることをあきらめ、次の番札までの早く行かれるよう、お遍路さんの小さな目印を見つけるように^^

細い道は探検みたいで楽しい

3番札所 金泉寺

3番寺を過ぎ、お腹が空いたけれど、飲食店が遍路道になさそうだったので
少し道から外れたコンビニで軽食を購入。
雨で外には座れないので、軒下で食べました。

ここからまではすごく時間がかかったけれど、この後は昔ながらの遍路道があり自然豊かで
猿やら白鷺やら、動物をいろいろ発見‼
足元はぬかるんでいても、山道の方が面白いと、一気にペースアップ。

少し登りが続き、頑張って歩くと

4番札所 大日寺
朱色の門が目を引きます。

お清めは気持ちがいい

参拝後、
5番寺へ向かう途中にある「愛染院」へ立ち寄り。

こちらは3番 金泉寺の奥の院で、大きな草鞋が印象的ですね。

3番札所金泉寺の奥之院 愛染院

夕方、雨が止みかけた頃、何とか
5番札所 地蔵寺 まで辿り着きました。

子供ら、本当によくやった!
特に兄達の成長には思った以上のものがあり、感動✨

境内にある樹齢800年の銀杏

1日目の宿は、3番寺近くにある「旅人の宿 道しるべ」さん
歩いた地点まで送迎可という、子連れにはありがたいサービスがあり、宿を選ぶポイントになりました。

木のぬくもりがあり、居心地のいいお宿です。
お食事が豪華な家庭料理の和定食で¥1000という低価格なのも魅力です。

…しかし
楽しみにしていた夕食タイムが、悲惨な事になってしまいました。

雨に打たれながら長時間歩いたせいなのか、末っ子の体調が急変し、食事途中で○いてしまい(お食事中の方申し訳ございません)目の前にいた私と娘の食事は全滅…
宿の方にもご迷惑をお掛けしました。
すぐにお風呂に駆け込むことに💦

2日目

娘の調子が治らなかったら帰ろうね、と半ばあきらめていたけれど、
朝になると復活!
子供のパワーってすごいですね。
美味しい朝食をいただいて、すっかり元気になりました。

天気も晴れてご機嫌。暑いくらいです。

宿の人に地蔵寺まで送っていただき、2日目の歩き遍路がスタート。
昨夜の娘の件で心配もあり、「今日は6番寺まで行けたらいいよ」と娘のペースで歩く。

5番寺から6番寺へ 休憩中

のどかな畑や住宅地を歩いていると、
「頑張って~」とか「すぐ先に休憩所があるよ」とか、地元の人からの声援が‼
これに励まされ、スムーズにに到着。
ありがとうございました。

6番札所 安楽寺

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宿坊に予約したので、荷物を預けて参拝。
安楽寺には美しい彫刻や、手を浸せられる温泉があり、子供が楽そう。

6番札所 安楽寺 手の温泉

温泉にパワーをもらったのか、「次の寺まで行く」と言い出す子ら。
1.2㎞先なら行ってみるかと

7番札所 十楽寺

荷物がないと楽々ですね。
十楽寺の参拝を無事終えて、安楽寺宿坊へ戻ります。

私はこちらの温泉「薬師の湯」を楽しみにしていました。
(※クリックすると予約情報へジャンプ)

古くからある癒しのスポットだそう

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夕食には、普段いただく機会のない精進料理も食べられて満足。
季節の筍を使ったお料理や、鳩麦のスープなど、滋養のあるものが疲れた体にしみますね

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夜のお勤めにも参加。
木魚に合わせて、沢山の人と一緒にお経を唱えた時のヴァイブレーションが凄かった、、

3日目

6番寺宿坊から歩き始め、前日7番寺を参拝済みのため、通り過ぎます。

だんだん登り坂になり

8番札所 熊谷寺

参拝の手順も覚えてきました。

山の上にあり、石段からの眺めが美しい。

熊谷寺からおりてくると、少し歩いて

9番札所 法輪寺

参拝後、
目の前にあるうどん屋さんでお昼休憩。

「小豆洗大師」まで来て、ラストまでもう一息だけど
疲れっちゃって、うだうだ歩き…

そこに救世主が!

地元の方が「持っていきよ~」と文旦をもいでくださり
子供たち、大喜び‼

商店も何もない遍路道で、食べ物は貴重ですよね。
アスファルトからの照り返しで暑かったので、フレッシュな柑橘の汁が、私達を心から潤してくれました。
本当に感謝。

こんな風に、お遍路の行く先々で、食べ物やお小遣いをいただきました。
「お接待」はお布施する行為が功徳となり、自分の代参として託す意味合いがあるそうです。

子供たちは「何でくれたの?」と、知らない人から貰うことを戸惑いますが、
現代社会の中にも、「与えることで巡ってくる」という考えが風習として残っているのが素敵。

「自分だけで生きているんではないよ」っていう事を、他人から教えてもらえるいい機会になりました。

10番札所 切幡寺

ここから333段の石段。

重いリュックを背負ってフゥフゥ言いながら、登り終えた時の清々しさと言ったら✨

お堂の中に大きな数珠が

降りてくると、阿波市猟友会の方より、猪肉うどんやお握り、焼き芋などのお接待をいただきました。
郷土料理、美味しかったです。ご馳走様でした。

お接待をいただいて、少し元気になると
次回の為に、11番寺方面へ向けて歩くことにしました。

目標は最寄り駅でしたが、もう疲れてしまって、駅近くで終了。
帰りはタクシーで初日に駐車した場所へ戻り、岐路へ。

まとめ|感想と改善点

改善点
・1日目はゆとりを持って4番寺までにしておけばよかった。
→次の日6番寺までなら、距離が少ないため、こんなに頑張らなくてもよかったですね。

・2日目に6番寺から7番寺までが往復にならないように宿を考える。
→安楽寺宿坊利用なら6番寺参拝までを2日目の終わりにするし、7番寺まで行くなら7番寺にも宿坊があるのでそちらを利用する。私は安楽寺宿坊に泊まりたかったの6番寺終わりで良かったのかも。

・3日目は距離が長い。さらに10番寺は石段の登りが多いため、小さい子連れの場合は今までの歩きペースをみて無理せず区切ることも考える。

感想
「今回行った、1~10番寺までで、1番良かったのはどこ?」
…そう子供たちにたずねると
口を揃えて「階段のとこ~‼」と答えます。

3日目に訪れた10番札所 切幡寺です。

重いリュックを持ちながら、最後まで歩き切り
あと一山の石段を登り切った達成感を、子供たちも同じように感じていたことに感動。

現在高校生になった兄らに聞いても、石段の所と、文旦のことしか覚えてないそう…
頑張ったところが記憶に残る体験になって本当に良かった。


――――――

ここから5年ブランクあり
次回からは、私と末っ子だけの母娘2人の遍路旅へ続きます。
良かったら続きも見に来てくださいね。


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